アメリカ有数の美術大学であり本学協定校であるArtCenter College of Design(以下、ACCD)と2006年より実施している、国際協働教育プログラム”Pacific Rim”の最終発表会が、12月5日に八王子キャンパス アートテークギャラリーにて開催されました。

Pacific Rimでは、両校で学ぶ学生たちが、高齢化問題から日本の伝統工芸まで、グローバルかつローカルなテーマを取り上げ、デザインが果たすべき役割について探究し、革新的な解決案を提示していきます。
17回目となる今回のプロジェクトは、選抜されたACCDの学生9名と本学の学生10名が参加し、『Healing Light - 癒しの光』をテーマに、日本における光と影に対する深い理解と最先端技術、生体リズムを意識したデザイン(サーカディアンデザイン)、空間に自然の要素を取り入れるデザイン(バイオフィリックデザイン)など、癒しの要素を含むデザインについて研究を行いました。
3ヶ月にわたり実施された本プログラムは、9月に東京ミッドタウンデザインHUBにある多摩美術大学TUBでキックオフし、フィールドトリップでは、浜松・名古屋・京都・直島にある企業やギャラリー、美術館等20か所以上を訪れました。学生たちは、伝統的な工芸品やインスタレーション、住宅用のライティングや工場の照明などの見学からインスピレーションを受け、LED・アクリル・粉体塗装等のワークショップにより素材の知識や技術を学びました。
10月下旬に作品の中間発表会をはさみつつ、今回の最終発表会では、日米をはじめ専攻領域を超えた学際的な9チームの学生たちが、研究成果となる作品を発表しました。
発表された作品は、「Flow of Refraction」をテーマに変化し続ける美しさを取り入れた鎖樋形の照明や、「Origin 原点」をテーマに持ち運べる照明、その他にも豊島における自然光を生かした図書館設計の提案など、各チームの特色が表れていました。また今回のプロジェクトを記録するドキュメンタリアンに選ばれたチームは、フィールドトリップの没入型映像作品や、最終発表会における展示設計、WEBサイト作成により、3ヶ月に渡る活動内容を発表しました。
参加した学生からは、大変意義のある取り組みであったとの感想が聞かれました。
「3ヶ月のプロジェクトは長いと思っていましたが、気の合う仲間に出会えて楽しく過ごせたのであっという間でした。海外の人がどんな考えを持っているのか興味があり参加したのですが、文化や制作への姿勢が違い、お互い教えあえることが多く充実した日々を過ごせました。」
「学部を超えて新しいことに挑戦したいと思い参加しました。自分の中で、決められた枠で制作しないといけないという思いがあったのですが、このプロジェクトで自由な表現を経験でき、これまでの既成概念が解放されました。」




