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多摩美術大学、東京音楽大学、東京電機大学が共同でそれぞれの専門性を生かしたイベントを実施


多摩美術大学、東京音楽大学、東京電機大学理工学部の学生によるイベント「TSUNAGU - transient texture technology」が、3月22日に東京音楽大学 中目黒・代官山キャンパスの「音楽のみち」にて開催されました。

このイベントは、3大学の学生が連携して作品制作を行うプロジェクト「3T Project」によるもので、将来のさらなる大学間連携に向けたキックオフイベントとして開催されました。異なる専門を持つ学生同士が交流することで、学生たちの表現の幅や視野を広げることを目的としています。

イベント実施に向けて、多摩美術大学からはメディア芸術の4名の学生が参加し、広報と絵画・映像・オブジェの制作を担当しました。また、東京音楽大学の学生はプロジェクトの進行および音楽やサウンドの制作を担当し、東京電機大学の学生はセンサーなどのシステムデザインを主に担当しました。今回のイベントを通じて共同制作を進める中、担当や専門分野を超えて互いに協力することで、学生の新たな創造性を引き出す貴重な機会になりました。

展示された作品
『topology』長島由佳/システム協力:髙木空、髙橋鴻介、ながらがわ

長島由佳さん(メディア芸術2年)、髙木空さんからの作品紹介
「音楽のみちを通勤通学で通る人も、オープンキャンパスで訪れた人も、立ち止まり、耳を傾け、周囲に目を向けるきっかけとなる場になることを目指しました。オブジェクトはそれぞれ異なる反応を示し、傾けることで空間に流れる音が変化します。誰かが触れることで構築される音の空間は、他者との関わりによって成り立つ場です。人が関わることで変化し続けるこの空間が、訪れる人同士のつながりを生み出すきっかけとなることを願いました。」

『時空を超えて』立案・統括:権藤大貴/システム構築:ながらがわ、髙木空、西野俊/機材選定:本多慎吾/音響効果:松本拓都/ハードウェア選定:早田淳平

権藤大貴さん(メディア芸術2年)、ながらがわさん(メディア芸術2年)からの作品紹介
「音楽のみちを通る自分の影と共に、昼に撮影された人の影もスクリーンに投影されることで、今の自分と過去の人が繋がるというコンセプトの作品です。影の形は目黒川の桜をモチーフにしており、春の訪れや、本来出会えなかった人と作品の中で出会えることを祝福するイメージを届けます。この映像は、『topology』のオブジェクトとも連動しており、オブジェクトの動きにより、映像の線や色が変化する仕掛けになっています。」

『人影』菊池優美

菊池優美さん(メディア芸術2年)からの作品紹介
「音楽のみちの階段では、誰かが歩いた後を知らず知らずのうちに、また誰かがその足跡を辿って歩いていきます。そこを歩く一人一人の存在を想い、繋ぎ合わせるような作品を目指しました。撮影した人影を重ねて出力し、その上にミラーやUVライトを重ねることで、過去に歩いた人々の軌道が見えるようにしました。夜になるとUVライトによって、昼間には見えにくかった人影が光り、また今、作品の上を歩く人の足元がミラーに反射したり、ライトの反射が変化したりすることで、前に歩いていた人と今歩いている人の重なりを表現しました。」

プロジェクトを指導したメディア芸術の森脇裕之教授の感想

「初めて3大学のプロジェクトを行うことになり、手探りで参加したメディア芸術の学生は、音楽や工学的な要素も扱う横断的なプロジェクトにも戸惑うことなく取り組むことができ、レベルアップにつながりました。今回のように他大学の専門性の高い学生と接してコラボレーションすることで、独学では得にくい知識や経験を得ることができたと思います。」

参加した学生の感想

「他大学と取り組むのは初めてでした。役割分担やお互いの認識をすり合わせ、意見を取りまとめることが難しかったですが、共同制作ならではの貴重な経験ができました。」
「専門分野が異なる人たちと連携するためには、知識がないと自分がやりたいことを伝えるのが難しいことを実感しました。この機会に新しい分野を学ぶことができました。」
「自分の頭の中で考えるだけでなく、物を作る過程で設計の重要性を学びました。オブジェの形を作る際には、システムをあらかじめ組み込むことを設計し、また、作品を量産するためには、手伝ってくれる人がどのように関わるかを考え、手順を整理する必要がありました。分業のプロセスを実際に体験することができました。」

「3T Project」「TSUNAGU - transient texture technology」ロゴ制作:権藤大貴(メディア芸術2年)

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