多摩美術大学90周年記念誌|多摩美術大学
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06 . 07創立90周年を迎えて2025年,多摩美術大学は創立90周年という大きな節目を迎えることができました.長きにわたり本学を支えてくださった多くの皆様に,心より深甚なる感謝を申し上げます.や発想の産物ではなく,社会や人間と真摯に向き合う取り組み方そのものである,ということです.時代の変化に正面から向かい合い,アートとデザインの役割,特に社会的役割を問い続けることこそ,本学が尊重する考え方です.それゆえに,私たちは1935年の創立当初から脈々と受け継がれてきた精神を,「自由と意力」の理念として掲げているのです.するだけでなく,未来に向けた公共的価値を育む場であるべきです.本学は現在,多様性・国際性・研究の高度化・社会連携を柱とする中長期計画を進めています.これらの取り組みは単なる改革にとどまらず,その社会的責任を形にする試みであり,「世界に存在感のある美術大学」を目指す歩みの一環です.ています.そこに映し出されているのは,時代ごとの眼差しとともに積み重ねられた教育と創造の軌跡であり,未来を考えるための「時間の記憶」でもあります.これらの記録をたどることが,本学の過去と現在を結び,次なる一歩を考える契機となれば幸いです.続けられるよう,今後とも皆様の変わらぬご支援とご理解を賜りますことを心よりお願い申し上げます.─青柳 正規学校法人多摩美術大学 理事長 本学の歩みを振り返るとき,私が強く感じるのは,表現とは単なる技巧 アートとデザインが社会と深く結びつく今日,美術大学は専門性を継承 本書には,年表や写真を通じて,本学の90年にわたる歴史が刻まれ 多摩美術大学がこれからも,創造と対話を軸とした学びの場として歩み

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