shiki.

作者によるコメント

季節を染める鮮やかな花々を、白い世界で表現しました。有機的な花という物体を、あえてデータ化し素材を変えパッケージングしました。既存の花をパス取りし紙を切り重ね合わせて作成しています。全部で100種類あります。すべて形態も部品も異なり、ひとつとして同じものはありません。非生命的なこの作品の中に見える、百花繚乱の様が伝わるといいです。

担当教員によるコメント

緻密な観察と作業で仕上げられた白い花のオブジェ。クールな出で立ちの奥に女性ならではの肌理の細かさを感じた。素晴らしく美しい仕事だと思う。
クリエーターにとって、テーマを貫き、ごまかしの効かない色や形にしっかりと定着させていくことが全てであるとするならば、その質を決定するものは仕事の量である。トライ&エラーを何度も繰り返し、諦めず、自身の理想を追い求めた鈴木ほのかの作品への執念が、ひとつの花びらとして同じものがない百種類もの見事な花達を生み出したのだ。彼女の四年間の最大の成長は自身の表現というものに対するその姿勢にある。

教授・澤田 泰廣