tayutaum

石舘 波子

作者によるコメント

鳥になることを夢想する女の子の描いた夢。タイトルは、浮遊夢や白昼夢、アクアリウムといった単語とかけて[揺蕩う夢]=[tayutaum]としました。空を飛んだり、水に浮いている時に覚える身体感覚を感じてほしい作品です。

担当教員によるコメント

湖上で夢想する少女の持つ宝石箱。その薄暗い箱の中でうずくまる少女の分身はふと目を覚まし、白い鳥を追いかけ光あふれる世界へ飛翔する。闇の世界を抜け出した分身を、湖上にたたずむ本人と思い出の品々が浮遊する世界が暖かく迎える。そして少女は鳥に変身し新たな世界に羽ばたいてゆく…。1&2年次、引きこもりがちだった石舘波子は3年になってから学校行事やイベントなどでリーダーシップを発揮しアニメーションクラスの盛り上げ役になった。彼女の中でなにがおこったのかはわからないが、本作品にはそういった彼女の繊細な内面とポジティブな変化が投影されている。また彼女の描く線はとても洗練されていて美しい。第三回新人アニメーター大賞を受賞するほどの成長っぷりである。

准教授・野村 辰寿