間宮 尊

担当教員によるコメント

作者は3.11とその後の放射能漏れ事故や電力問題を経験して、明かりや電気に対する思考を制作を通して繰り返した。このプロセスを経て永遠の明かりといわれるLEDに荷電圧を与えて焼死(ショート)させた残骸を弔いたいという思いに至った。死を表すガイコツは文明とテクノロジーを象徴するLEDで覆われて美しい工芸品になった。しかし安らかな死がモニュメンタルに表されるだけではなく、ドクロを覆うLED群はライブ(公開処刑)の場で、暴力的な電圧を加えられて、ケミカルな異臭を放ちながら焼かれてた。まるで放射能に犯された細胞が徐々に殺されていくように…。この死のページェントを経て、青白く光るドクロの表皮は、科学的な事故で変調をきたした皮膚のように茶色く変わりはてる。その様は我々が現在抱え込んでいる宙づり状態の生命そのものを想像させる。

准教授・佐々木 成明