僕のバニーガール

Kim TaeHyoung

作者によるコメント

最近は恋愛を諦める人が増えている。それは出会い方が分からず、自分に自信がないからである。それで多くの人はネットを利用して恋愛をし始めた。サイバー空間はウソの情報がもっとも多い場所で、人間不信になりがちな場所だが、現実では解決できない孤独感を解決する窓口として使っている人もいる。この作品は非現実的な恋愛でも孤独から逃げたい人間の話をしている。

担当教員によるコメント

ネットの出会い系サイトから始まる恋愛の妄想と現実。この映画では社会や他者への不信感と嘘が相互に作り出している孤独と孤立がテーマのひとつとなっている。主人公の実生活と仮想人格のギャップがリアルに描かれる作品だ。狭い画角が意図的に使われているが、青年漫画のカット割りのようでありつつ、どこにも抜け出せない主人公が抱えている出口なき閉塞感を暗示しているようである。ストーカー犯罪など様々な問題が挙げられるネット社会を表しているが、その根底には愛情が相手のことをもっと知りたいという「愛すること」と「想うこと(イメージ)」の関連で結晶化していく恋愛の様が描かれている。

准教授・佐々木 成明