A.いびつなわたげB.やわらかいあたま
東山 詩織
担当教員によるコメント
それぞれは頼りなく希薄な存在である。それらが集合し、次第にある秩序を持ちはじめる。立ち上がっては消え、また立ち上がっては消えることをくり返すうちに、消え切れないものと、新たに生まれたものが重層され、より複雑な関係が編み込まれ構造化する。忘れられない出来事が起きたあの日、彼女が唯一買うことが出来たドーナッツ、その後東急ハンズで見た球体シェルターがモチーフである。前者はあまりに日常的なもの、後者はあまりに非日常的なものである。しかしそれらが同時にあらざるをえないこの現実、人々の営み。その不条理さと、それでもなお編まれ続ける世界の構造に、東山は美術家として真摯に立ち向かう。その画面空間は美しくも不安な「無限」そのものを示しているのだろうか。
教授・小泉 俊己
- 作品名A.いびつなわたげB.やわらかいあたま
- 作家名東山 詩織
- 作品情報技法・素材:鉛筆、紙
寸法:H1620×W1620mm
技法・素材:鉛筆、紙
寸法:H1620×W1620mm - 学科・専攻・コース
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