おとびば/otobiba

端谷 優

担当教員によるコメント

地上から3.5メートルの超巨大なオモチャ。観客が木の丸球をたぐり上げて音楽のスタートとなる。透明なドームを旋回したのち、木製の階段を転げ落ちるときには心地よい木琴のサウンドが響き渡る。作者のねらったように、こどもでも大人でも楽しむことのできる作品である。丸球の動き、球が奏でる音楽といった魅力に惹きつけられて、参加者はこの作品の周囲に集ってくる。そして皆一様に上空を見上げることになる。ほんとうに作者のやりたかったことは、このように集まってきた人たちの連帯感を醸成することだ。そのためにはどうしても、このように屹立する巨大な仕掛けが必要だった。その根本に立って丸球の転がりに見とれていると、大自然に息づく大木のもとに抱かれた安心感のようなものが表現されたのだと感じた。

准教授・森脇 裕之