イマムカシヒロイニズム

魚川 詩音

担当教員によるコメント

少女マンガ雑誌をアクリルミラーで制作したオブジェ作品。実在の雑誌(っぽい)表紙を飾る代表的な女性ヒロインたちが鏡の中でほほえんでいる。そこに観客の顔が重なって見える。女性たちの憧れを結晶化した様なそれぞれのキャラクターたちは、カラフルだがどこか作り物っぽさを漂わせるアクリルの調度品として提示されている。触ることも開くこともできない雑誌型オブジェの中には世代ごとに生まれては失われていく女性の記憶がつまっているかのように思える。

准教授・佐々木 成明