卒業制作優秀作品集2015芸術学科

藤吉 麻里

ゆるキャラの文化史的考察およびその未来

近年、一際注目を集めている地域振興を目的としたキャラクター「ゆるキャラ」。新しく短い歴史と、その多様化に伴う曖昧な定義を踏まえた上で、金銭や著作権問題などのタブーと言われることまで深く追求し、ゆるキャラが誕生した日本特有の歴史的背景や精神的背景についても研究する。そして、そこから見出せる日本あるいは日本人におけるゆるキャラの必要性と、今後のゆるキャラというジャンルのあり方について考察する。

担当教員によるコメント

藤吉麻里さんの「ゆるキャラの文化史的考察およびその未来」は、昨今各地で注目を集める地域PRキャラクター“ゆるキャラ”を文化論的に論じたユニークな論文です。もともと本人がゆるキャラのファンということから始まった研究ですが、単なる魅力の賛美やタイプ分類ではなく、丹念に資料を漁りながら現代日本文化論として論を組み立てています。歴史が浅い分野であり、文献も地域振興やブランディング、マーケティング関係のものが多いため苦労したようです。ゆるキャラの多様化に伴う定義の曖昧さを整理し、ゆるキャラが誕生した日本特有の歴史的背景や精神的背景にも触れながら「ゆるさ」を求める日本人の心性を考えようとする本稿は、芸術学科らしいテーマ、内容の論文として高く評価できます。

教授・西嶋 憲生

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