情の子

西島 蓮

担当教員によるコメント

西島の父親が、子供の頃の彼をモデルとして制作したスケッチや彫刻を今度は西島自身がモチーフとして、70枚のタイル画と1つの彫刻を作った。西島は陶プログラムでの3年間、表現したいというエネルギーをもてあますようにあれこれと取り組んできていたが、4年生になり父親への想いと繋がりという実感の上に立って、「他人が表現したわたしを私が表現する。」ことに辿り着いた。既成のタイルの上に水で溶いた顔料で描いたドローイングは、焼成によりタイルの釉薬が溶けて固着する。この現象を上手く捕まえてタイル画に発展させた。 現象に感性が共鳴し、作ることで思考が固まりさらに発展するということを、熱心な試行錯誤の成果として経験できたことを喜びたい。

教授・尹 煕倉