Shake hands chair

中川 愛理

作者によるコメント

北海道、紋別町に敷地を想定し、祖母のための夏の家に置く椅子を制作した。生活の場である日常から離れ、自分の生まれ育った美しい渓谷や山々の連なりを眺めるための場とその空間に寄り添う椅子。

担当教員によるコメント

椅子のデザインをするときに大切なことが2つある。1)デザイナーがどのように人を見つめているか。2)どんな空間に置いて欲しいのか、作者の想いが伝わるようなものになっているか。といったことではないかと思っている。作者にとって対象になる人は祖母であった。だからこそ生活スタイルも身体上の具合もよく理解している。夏にはいい風があるという地域特性は、空間の計画と椅子のデザインに良く反映している。頭まで支えて包みこむような背でありながら、座とは切り離しているのも風への配慮である。なるほど、リビングルームに置くといかにも気持ち良さそうな椅子になっていて、農作業の合間に寛いで欲しいと言う想いは2つの大切なことを見事に満たしている。最後まで1人で作り上げたのは立派!

教授・富樫 克彦