変わらない風景、とどまる者達

柳 雄斗

担当教員によるコメント

僕らひとりひとりにはそれぞれの宿命がある。宿命を背負いながらも、反復する日常を生きていかなければならない。歩くことは移動である。僕らは毎日のように歩いている。でも、その移動は本当の移動ではなく、反復のための移動である。それはまさに、ウォーキングマシンの上で歩くことのように、歩いても歩いても、移動しない。手持ちのカメラと空間に点在したディスプレイに映しだされた映像が、そうした状況に気づく人、気づかない人、気づかないふりをする人、抜けだそうとする人、抜け出せない人、さまざまな状況を投影する。数多くのメディアと多様なパフォーマー、入念な練習とリハーサルから生まれた力作だ。

教授・久保田 晃弘