Wearable Voice

吉田 淳

作者によるコメント

「アクセサリーを身に着けるような感覚で本来変わるはずのない『声』というアイデンティティを変えることができるとしたら、『身につけた声』はその人のアイデンティティに成り得るのか、或はアイデンティティの喪失に繋がるのだろうか。」その問を探求する為に身に着けた人の声を変えるチョーカーを制作しました。

担当教員によるコメント

吉田淳が卒業研究制作として最初に選んだのは「ウエアラブルデバイス」だった。指輪や時計など身体に付ける様々なデザインのアイデアを考えたが、どれも既視感があったり、すぐに登場しそうなものであった。そこで彼はデバイスではなく、人のアイデンティティーに着目した。3年次に北欧で研究した「embodiment」にも繋がるテーマである。「声」というアイデンティティを選び、それを持ち運ぶことが出来たら、人は何を感じ何を考えるのだろう。その問いを真っすぐに投げかける作品を実装し完成させた。真にイノベーティブな作品は、見たこと聞いたことのないアイデアがあり、議論を呼ぶ作品でなければならない。その意味でこの作品は未来に向けたイノベーティブな作品と言えよう。

教授・宮崎 光弘