とある形

小林 紗也

担当教員によるコメント

かわいらしさというのは突然にやってくるものではない。何気ないものがふとしたきっかけで違った感じのものに見えたとき、ふと気づいてしまう不思議さを作者は大切にしている。それをとらえて表現しようとしたら、最初はイラスト画面に封じ込めようとした。次には物体を形づくっていた。それらは気がついたらいつの間にか何匹にもなっていた。これはあくまで作者の日常のなかでの出来事であって、特別なことではない。いつもの時間のなかでのちょっとした不思議な体験であることが、見るものにも心地よく感じる作品である。

准教授・森脇 裕之