ワンスイナ ライフタイム / ユーベタ, 暈(かさ)

塙 龍太

担当教員によるコメント

あるひとつのイメージを破綻なく画面上に成立させるためには、画面上の複数の要素をそれぞれもたれ合うように操作し、主従関係的な画面構成を行うことが必要とされるが、塙龍太はそのような一般的な画面構成で生成される絵画には興味はないようだ。塙龍太の絵にある複数の要素は、ひとつの次元に存在するのではなく、それぞれの要素はそれぞれ異なった次元に存在しているように思える。仮にそうであるならば、画面上にある異なる複数の次元は、それぞれ自立した存在としてもたれ合うことを拒否するはずである。そしてそこに際立ってくるものは、絵画のイメージ性そのものではなく、それを知覚させるための差異かもしれない。塙龍太の絵画にとって重要な事柄は、イメージの再現ではなく、世界が差異によって生成される様を感じとれるところにある。

准教授・栗原 一成

  • 作品名
    ワンスイナ ライフタイム / ユーベタ, 暈(かさ)
  • 作家名
    塙 龍太
  • 作品情報
    『ワンスイナ ライフタイム / ユーベタ』
    技法・素材:キャンバスに油彩
    寸法:H2010×W2470mm

    『暈(かさ)』
    技法・素材:キャンバスに油彩
    寸法:H1900×W1800mm
  • 学科・専攻・コース