土の中 火の中 脳の中

廣田 真夕

担当教員によるコメント

廣田の作品は表現力が強い。見る者の心に響き、揺さぶられる。作者のひたひたと忍び寄る波動が、人の心を覚醒させるからだと思う。そのメッセージは一体何なのか?作品の前に立つと、けだるい日常から、いきなり湿気を含んだ荒野に投げ出された感覚に襲われる。毅然と今の状況に向き合う自覚を持てますか?という問いかけではなかろうか。私たちは、いつも現実にフィルターをかけ、自己逃避してはいないか?人間として生きる意味の再確認を促しているのかもしれない。松尾芭蕉の「不易流行」という言葉を思い出す。宇宙の生命の不変なメカニズムは真理であり、日常は消え去るあぶくに過ぎない。私たちは夜空に、土の中に、心の中に、生命の圧倒的な神秘があることを受け止めなくてはならない。

教授・室越 健美

  • 作品名
    土の中 火の中 脳の中
  • 作家名
    廣田 真夕
  • 作品情報
    技法・素材:紙、アクリル、コラージュ
寸法:H2660×W3430mm
  • 学科・専攻・コース