祭, 還る場所
加藤 日菜子
担当教員によるコメント
加藤日菜子は、風景の一部分をハサミで丁寧に切り抜いたような独特な切り取り方をする。結果、箱庭のような、盆栽のような、文字通り絵に描いたような、しかしなんとも素敵な風景画が出現する。その中身は常に豊かな自然であり、春夏秋冬の季節の移り変わりがあり、風がそよいでいて、それらを空気ごと取り込んでしまう。地上の景色を映し込んだ水面、そこには小魚が泳いでいて、見る人の心を癒す。彼女は、心地良い自分の居場所を自分の絵の中に築きたいと願い、描いたり削ったりの制作途中に、そんな場が現われるチャンスをいつも待っている。豊かな色使いで、どの作品もお節句やお弁当が似合うハレの日を感じさせてくれる。そんな世界観の原点は…?と質問すると、「スノードーム…かな?」と小声で教えてくれた。
教授・野田 裕示
- 作品名祭, 還る場所
- 作家名加藤 日菜子
- 作品情報『祭』
技法・素材:アクリル、パネル
寸法:H1620×W1620mm
『還る場所』
技法・素材:アクリル、パネル
寸法:H1620×W1303mm - 学科・専攻・コース
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