Cage

村上 直樹

担当教員によるコメント

この作品のモチーフは、平等院鳳凰堂の鳳凰である。幼少期を京都で過した村上君は、その時見て記憶に残っている鳳凰の大きさを作った。次に彼は、大阪城天守閣の鯱を作る。自分で見て感じた鯱の存在感の強さを作りたかったのである。古の創作物を自分の眼で見て感じたことを素直に形にした。古の創作物を、現代の鋼材の形である板でありパイプで構成しなおして制作している。鉄は可塑性の最も高い金属で、力を加え変形させると元に戻らない永久変形を生じると言う特徴を生かしての事である。高い所即ち天に置かれていた物を、地上にて制作したが、もう一度天に戻したならばどのように見えるのだろうか、興味を惹かれるところである。鳳凰も鯱もともに三メートルを超える力作である。

教授・多和 圭三