effect

盛田 渓太

担当教員によるコメント

臓器で被われたソファーが3分割され、鏡面のステンレスの台座に置かれている。断面の赤が効いて肉体への連想が深まる。心臓、脳、表皮、血管、腸、盛田君がこれまでに制作した作品のモチーフである。書き連ねた言葉から受けるイメージとは異なり、彼の作品は奇怪でも異様でもなく寧ろ美しくある。自己の存在への問いを肉体そのものに視点を定めることから始めたのであろう。彼の持つ外界に対しての微妙な間合は時折り感じることがあった。同様の眼指しで自己を冷静に内省する。彼は美しく表現しようとは考えていないと言う。生命維持の根源である臓器が本当は鮮やかで美しいことを彼は無意識ではあるが、知っている。

教授・村井 進吾