おこして

佐藤 なぎさ

担当教員によるコメント

佐藤は四年生の一年間で最も進歩した学生の一人である。その結実としての作品がここにある。不足していた造形に必要な技術的基礎を学び直すことからのスタートであった。その取り組みは途中何度も躓きながらも、本人の創作意欲は途切れることはなく、前期制作でまず確実な手応えを得ることとなる。本人も実力の伸びを実感できたからであろう、卒業制作では他学生が全く違ったアプローチを取ったりもする中、前期制作と同様の制作プロセスを基に着実にステップアップしていく道を選んだ。タイトルには「おこして」とある。誰かを助け起こすにはまず自分がしっかりと地に足をつけて自立していなければならない。この一年間で佐藤はそのための地固めをしっかりとできたのではないだろうか。

非常勤講師・小林 有矢