ito-koushi

渡邉 桃子

作者によるコメント

糸で制作した屏風。気配を大切にしてきた日本人にしか出来たない間の仕切り方、それは間をつなぐこと。繊細な糸の集合による間を切りつつもつなげる、そんな透過性をもつ屏風。

担当教員によるコメント

気配を感じるしきり。もともとは格子が作り出す空間の関係性を探求していた作者が辿り着いた表現である。細いステンレスパイプと、そこに巻き付けられたミシン糸で構成されている。ミシン糸は厳密に水平と垂直に巻かれ、縦糸と横糸が密度を変えてグラデーションをつくりだす。物体としての格子が極限まで細くなった時に、仕切られた空間の関係はどのように変容するのか?緩やかに仕切り緩やかに繋げる柔らかな存在感が魅力的だ。

准教授・橋本 潤