明るい部屋

市川 日可里

作者によるコメント

物体の色は光を反射することで私たちの目に届く。毎日当たり前のようにそこに存在する人や物も、その日の天気や気温、その場所の光源によってまるで別物のような見え方をする。今日見た景色と、明日見る景色は違うのだ。毎日、自分が目にしている景色の中で特別な瞬間を切り取って集めていった。この本は、2012年から2016年までの4年間で自分が見てきた世界の記録である。

担当教員によるコメント

市川日可里の写真作品の主題は「光」だ。彼女の写真は、一見すると力強い視線が建築物や街の一角にそそがれ、それらのディティールや構造を量感たっぷり見せてくれている様に見えるのだが、実は彼女の視線はそれら建築物や物たちを照らしている「光」を見つめていたのだと気付かされる。光こそが彼女をとりまく日常世界を深く見つめさせる原因であり、光こそがその日常世界の微細な調和や混沌を自身の身体の奥底で感じとらせ、浮び上らせる原動力なのだという「きづき」が、この作品を一環した強固な表現に到達させたのだと感じた。

教授・上田 義彦

  • 作品名
    明るい部屋
  • 作家名
    市川 日可里
  • 作品情報
    写真
    技法・素材:写真=タイプCプリント、FUJIFILM X-TRA400、コダックプロフェッショナルエンデュラプレミアムペーパー/本=紙、Illustrator、photoshop、インクジェット出力
    サイズ:写真=H1600×W1080mm (5点)/本=H427×W340×D25mm (1点)
  • 学科・専攻・コース