Lust for love.

加藤 風花

作者によるコメント

自分で自分を愛して救うと決め込んでシャッターを切り続けていたら街や花にまで自分が写る様になって気が付いたら撮る写真全てがセルフポートレイトになっていた。全て、もう世界すら自分なのだし私は孤独を受け入れて多量の感情とこの目と共に生きる事にした。写真を撮り始めてやっと生き始めました。この写真集は私の人生そのものです。

担当教員によるコメント

加藤風花の写真作品の主題はセルフポートレートだ。それは単に自分自身の姿を撮すということだけではなく、彼女をとりかこむ風景(けしき)も日々の何気ない出来事も、見知らぬ人々の姿や知人達、彼女が見つめてやまない孤独の世界、写真に撮らねばならなかった事どもの全てがセルフポートレートとして写り込んでいる。全ては私自身を写す鏡なのだと、自分自身の想いをその強いまなざしにのせて、見る側に静かに強要している。一枚一枚の写真に切ない豊かさと、生きる事のやるせなさをたたえた切実で透明なセルフポートレート写真である。

教授・上田 義彦