Commonality

作者によるコメント

人間は知識や経験によって、生活しやすい環境を作り上げてきました。それに対し動物は環境に合わせ自然に適応する術を身につけてきました。人間と動物は異なる生き方をしていますが、両者に共通する点があります。それは生命の豊かさや欠かせない本質を示すものであり、また様々な問題を示すものでもあります。『Commonality』は、そんな人間と動物の魅力を紹介するフリーペーパーです。

担当教員によるコメント

執拗な描画技法によるリアリズムを追求する人が減っている。この領域を極めるためには、ひたすら自己と向き合い、トライ・アンド・エラーを繰り返し、ひとつひとつの仕事に圧倒的な時間を費やさなくてはならない。しかし、竹内祥子は時代に反抗するかのように自身の表現手段として、この近道無き“描く”という行為に強くこだわった学生である。モノ創りの環境は厳しい。やり抜いた人だけが生き残れるシビアな世界なのだ。クリエーターとして一番大切な才能とは何事にもチカラを出し切れる持続力だと思う。この卒業制作には竹内のそのような持ち味が思う存分発揮されている。これまで以上の磁力を感じる強い作品だ。動物達と人間との共存を意味する「COMMONALITY」というテーマも、生き物をこよなく愛する彼女らしい設定で心に響くものがある。

教授・澤田 泰廣