mille sezione

稲村 綾乃

作者によるコメント

野菜を幾何学的に捉え、モザイクアートとして表現しました。茄子、パプリカ、トマト、オクラを幾何学的に表現し、モザイク装飾を施した作品です。

担当教員によるコメント

レーザー加工機でイラストボードを細密にくりぬいて、彩色を施したのちに積層してできたレリーフ状の作品。連作になっていて、いずれも野菜の切り口から連想した模様がモチーフになっている。いわゆる切り絵の世界のようにカッターナイフを用いて一切りずつ作品を仕上げてゆくのと比較すると、データを用意してオートメーションで切り出してゆく手法はいかにも現代的といえる。しかしこれほどの厚みのあるイラストボードを手作業で切り抜くのは困難で、さらに作品の細部には1mm以下にもなる微細な切れ込みも表現されている。やはり手作業ではこの作品で実現されているようなことは、とうてい望むことはできない。新しい時代のツールが切り拓く可能性の一端を示している作品である。

准教授・森脇 裕之