shout down

古山 正己

作者によるコメント

「心電図」「不整脈」「閃光」「耳鳴り」をもとに、それらを視覚的・聴覚的に表現した作品。解剖学的に心臓は4つの部屋に分かれている。この作品では、設置された4台のレーザーから照射される緑色光を、心電図波形として 比喩的に表し、レーザーが照らす部屋全体を一つの心電図のように見立てている。本作は、作者のパフォーマンスにおいて致死的不整脈の発生から停止までの段階を表現する。

担当教員によるコメント

プログラムによってコントロールされたレーザー発信器とミラー。さらに、目映いばかりの光を放つ高輝度LEDとクリックやホワイトノイズなどの無機質な音響。そのひとつひとつは、かつてどこかで見たもの、聞いたものであるのかもしれないが、それらが連動し、呼応しながら蠢めきだすと、空間全体に有機的な造形物をインストールする。それは、止まってしまえば消えてしまう、はかない造形物ではあるが、だからこそ体験するものに鮮烈な余韻を残す。どこまでも伸びていくレーザー光線が、作品が設置された場所を超えて、部屋全体に広がるダイナミックな空間を演出する。

教授・久保田 晃弘