quantum gastronomy 量子料理

持田 寛太

作者によるコメント

将来、私たちの「食」に関する一連の流れがどのように発展し、消費されていくのかをシュミレーション、および具現化、ビュジュアライズを試し見る作品。量子テレポーテーションの実用と応用。(各地から食材の収集)テレポーテーションの現象、食文化、(ガストロノミー)料理の過程を用いて、未来の我々の食卓の図、食文化の構想。体験型作品として、鑑賞者、体験者に訴える作品。

担当教員によるコメント

quantum gastronomy、つまり量子力学的料理術。ブラウン管テレビが埋め込まれた、宇宙船のコックピットのような端末から食材を選択。選ばれた食材は、巨大な惑星のようにスクリーンに投影され、すぐさまドラマチックに切断される。切断された食材は、もうひとつのブラウン管テレビに艶かしく映る、ラーメンどんぶりへ自由落下する。この手順を繰り返し、りんご、豆腐、アボカド、食パンなどの破片が集まっていく。しかし、それがいったい何の料理へと調理されているのかがわからない。つまりこれは量子力学的料理術だから、つまみ食い(観測)するまで何の料理か確定しないのだろう。しかしこんな見た目の料理は食べたくない。だから永遠にこの料理は確定しないのだ。

講師・谷口 暁彦