ジャンクマン

関 亮人

作者によるコメント

コンセプト
その辺りに打ち捨てられた機械や道具の中から普段見ることもない興味深いパーツが眠っている。原始の人間は自然から多くのものを拾ったり加工したりしてきたそうだが現代の「自然」では機械の中から拾っていった方が効率的ではないだろうか?今、身の回りにあるものをしっかり見つめ何を作ってきたのか、何をつくればいいのかを肌の感覚で理解していく。



概要
多くの解体された機械の中で作者の気に入ったパーツを作者自身が磨いたり組み合わせたりしてより良いものにする作業を行っている。もし好意的に受け止めてもらえるなら鑑賞者とのコミニュケーションをとっていく。

担当教員によるコメント

ジャンクは消費世界の必然である。展覧会や講評会を終了したあとのゴミの山も同様だ。関亮人は、そんなジャンクの山の中から、新たなな美を発見する。想定された機能を果たせなくなってしまったものの中にも、いや、だからこそそこには、きらきらと光り輝くプロジェクタのミラーや宝石のような電子部品のように、思いがけない美しさが溢れている。美も機能のひとつであるとすれば、そうした新たな機能が発見されたジャンクはもはやジャンクではない。そんなジャンクに魅了された作者は、ジャンクを解体していくうちに、いつしかジャンクと一体化し、今では「ジャンクマン」として新たな人生を歩み始めた。

教授・久保田 晃弘