岸辺へ

後藤 響子

担当教員によるコメント

卒業制作の傍らに「投壜通信」の事が記されていた。もともと実力者の作者は、どのように此処(この表現)に至ったのだろうか。波間に揺られる壜のように、孤独な旅があったのだろうか。それまでに得た成果には目もくれず、いつも眼差しを遠くに向けて、真剣に実験的な制作を繰り返し、多くの波間を超えて来た。此処に至ってそれまでの表現の何かを超えようとしているのは明らかであるが、どの様な表現を至って行くかは未だ未知数である。航海を楽しんだ先に、いつか何処かの岸辺にたどり着き、誰かにその壜の中の手紙を発見してもらえたらと切に願っている。

教授・岡村 桂三郎

  • 作品名
    岸辺へ
  • 作家名
    後藤 響子
  • 作品情報
    技法・素材・作品種別:岩絵具、水干絵具、アクリル絵具、石膏下地
    サイズ:H1820×W3207mm
  • 学科・専攻・コース