warmth
松井 千明
担当教員によるコメント
穏やかな初秋の午後。桜の大木に寄り添い、散り際の葉擦れの音に傍耳を立てる作者の姿がそこにある。柔らかな陽のひかりを受けながら、風にそよぐ木漏れ日が、その足もとで揺らめいている。視線は大地をさまようように、ひかりの反射を求め何処までも伸びてゆく。やがて日差しと大地が解け合う一瞬。揺らぐ形のせめぎ合いを丁寧にかつ詩情豊かな色彩で捉えた、稀に見る秀作である。午睡につく間際、ゆったりとした時間に流れる壮麗な交響楽。松井はこの作品を通し、身近な自然にも宿る深遠な世界を、改めて知る事になったのではないか。
教授・武田 州左
- 作品名warmth
- 作家名松井 千明
- 作品情報技法・素材・作品種別:岩絵具、水干絵具、顔料、カラメル色素、麻紙
サイズ:H1400×W4000mm - 学科・専攻・コース
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