container, untitled
清水 将吾
担当教員によるコメント
立体作品〈container〉は、作者が巨大物流店舗「イケア」に行った時の衝撃から作られたという。2バイ4の木製のコンテナの中には、油粘土でつくられた鯉や鮭のような魚が鎮座し、周囲が業務用ラップで仮梱包される。作者はここで、資本主義的消費空間と近代的で因習的な粘土塑像(高橋由一の鮭の立体版)を諧謔的に対比させるアイロニカルな手法を用いており、幅のある解釈を許容する。一方の小品も同様のスタンスで制作される。量販店で入手した透明な「圧縮袋」の吸引口内部に樹脂粘度を充填し、負圧となった袋が粘度を平たく圧縮成型し、梱包用透明テープが張られる。資本主義的工業製品それ自体が、近代的な主体としての彫刻家になり替わるアイロニカルな秀作である。
教授・中村 一美
- 作品名container, untitled
- 作家名清水 将吾
- 作品情報『container』
素材:木材、粘土、ビニール、車輪
サイズ:H184×W182cm
『untitled』
素材:圧縮袋、テープ、紙粘土
サイズ:可変 - 学科・専攻・コース
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