心の柔軟性を鍛え、いじめの予防教育になる「ご当地大喜利絆創膏」

斉藤 恵

作者によるコメント

パッケージ裏に書かれたきついお題に対して、中身にはちょっと面白い解答例が絆創膏にプリントされているというものです。大喜利を楽しみながら、いじめを受ける側の予防教育として成長できます。いじめの予防対策は、いじめをする側にならないためのものがほとんど。これはされる側の予防として、心ない言葉を言われた時、ただ悲しむのではなく、ひどい言葉で言い返すのでもない、自分なりのこたえ方ができるようになることを目的としています。

担当教員によるコメント

大きな社会問題である、いじめについて真正面から取り組んだ作品である。子供たちから実際に言われた言葉を拾う。その内容は大人にとってかなりショッキングなものだ。既にある取り組みは、将来いじめっ子にならないためのものが多い。対して作者は今現在もいじめにあっている子供たちが自分の問題解決力を高めることを目的に、ゆるキャラや方言を導入した「ご当地大喜利絆創膏」という意外な解答を用意した。子供たち自身が積極的に関わりたくなる場面をいかに作るか。いじめ相談に大喜利で答える。悲しさや悔しさをじんわり笑いに変えていく。「絆創膏」は心の傷にも実際の傷にも貼ることができ、コレクションを誘う。社会問題に対するプロダクトデザインの役割をあらためて確認させてくれた作品である。

教授・大橋 由三子