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永井 小百合

担当教員によるコメント

春を告げる可憐なたんぽぽ。やがて綿毛は種子を乗せて風に乗って飛ばされていく。健気さというより大地から得たエネルギーを感じさせる。それは、里山にしっかり根を張っているか、コンクリートに囲われながら咲くかではなく自分の生き方と重ね合わせているのではないかと思う。着物が特別な時にしか纏えなくなってしまっている咋今、本人は楽しく日々纏えるお洒落着として提案し、通し裏や帯のデザインを含めてトータルに考えられた歩くおしゃれである。引き継がれてきた地道な染色技法の工程手順を踏みながらもそれをあえて見せずにのびやかな表現を貫き通している永井さんの感性は質の高さを感じるのである。

教授・弥永 保子