100 WOMEN PORTRAITS

天野 寿美

作者によるコメント

女性のもつ寂しさを描いたポートレート集
美醜老若、様々な女性100人の内面に潜む「寂しさ」をテーマにしたポートレート集。プロフィールも記載することで、より女性一人一人のバックグラウンドやキャラクター性が伝わるようにしました。女性である事を器用に利用する人、女性という立場に嫌気が差している人、女性である事を諦めた人、女性でいるから自信を保てる人…。カジュアルでラフな製本にする事で、着飾るのが得意な女性達の最もピュアで原始的な感情でもある寂しさが引き立つようにしました。

担当教員によるコメント

常に高いステージを目指し、大好きなイラストレーションと向き合い続けた天野寿美は、結果や評価が思うように得られない時も決して諦めず“描く”という行為を愚直に邁進させてきた学生である。在学中にこの姿勢がぶれることはなかった。卒業制作は木版を思わせるテクスチャーを駆使した100人の肖像画である。ページをめくる度に憂いを携えた女性達が様々な表情を魅せてくれる。見る側を包み込むもの静かな世界は秀逸だ。また、そのポートレイト群を活かす大らかでカジュアルな造本や、ビジュアルの対抗ページに一行ずつ綴られた簡潔なプロフィール表示に至るまで、神経の行き届いたデザイン力が随所に存在することも見逃してはならない。渾身の力作である。

教授・澤田 泰廣