ラッキーアイテム

山川 鎌

作者によるコメント

現代人の悩みを解決する空想の道具のグラフィック作品
悩みの絶えない現代に生きる人々の悩みを解決してくれる空想の道具のグラフィック22 点を制作した。道具のビジュアルとどんな悩みを解決してくれるのかを表すタイトル、2つの要素の関係性を通じて「これはどんな道具なんだろう?」「どうやって使うのだろう?」と見る人が想像してくれたら嬉しい。卒業制作は今の自分の考えや表現、全てを作品に込めようと思い自分の歳の数だけ制作した。

担当教員によるコメント

山川鎌君はこれまで、単に美しいだけではなく、時事性を取り込みユーモアを含んだ作品をつくろうと模索してきた。この卒業制作もその流れのなかにあるのだが、今までの作品から大きく前進したと思う。切り捨てるところは切り捨て、焦点を絞り込み、表現を磨きあげ、グラフィック作品として抜けきったものに昇華できている。シンプルだが奥行きのある作品だ。この、じっくり眺めたくなる説得力あるフォルムと、独自のテクスチャーにたどり着くまでに、多くの試行を重ねた。山川君にとって今回の制作の過程は貴重な体験となるに違いない。だが敢えて言うならば、彼にはこのスタイルに固執することなく、さらにもっとスケールの大きなデザインを目指してもらいたい。

教授・服部 一成