無題, 密密
渡辺 渚
担当教員によるコメント
渡辺さんは水彩やアクリルによるおおらかなドローイングを中心に制作してきた。平面構成的な画面でありながら、ルーツは長沢芦雪や曾我蕭白などの日本美術の描画にある。「密密」は水墨画の影響による筆さばきやにじみを駆使し、山や自然から感じるスケール感を線と面による構成に置きかえて描いた。「無題」はキャンバスを地面に敷き、その中心部に乗って、そこを動かないというルールのもと描いた。制約により画面全体を一望することができないため、視覚的バランスにかわって、自分の体に近いか遠いかの身体的な要因が構成の重要な基準になったと言う。その結果、内側から描かれた絵だからこその浮遊感のある構成を実現することができた。渡辺さんが絵の内側に入って全身で描くことに没頭した感覚が伝わってくる魅力的な作品になった。
講師・日野 之彦
- 作品名無題, 密密
- 作家名渡辺 渚
- 作品情報『無題』
素材・技法:アクリル、水性ペン、キャンバス
サイズ:H215×W426cm
『密密』
素材・技法:アクリル、水性ペン、キャンバス
サイズ:H145×W145cm - 学科・専攻・コース
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