卒業制作優秀作品集2017
生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻
山本 由紀
清潔を保つトイレ空間の研究
技法・素材:ABS、アルミ、ラバー、磁石
毎日排泄のたびに使用するトイレ空間は常にきれいに保っておきたいと思っていても、多くの人は1週間に一回しか掃除をしていません。主な理由として「しゃがんでの作業がつらい」・「他の部屋を掃除するもので掃除をしたくない」という2点があげられました。そこから立ったままの状態でトイレの床を隅々まで清潔にし、トイレの中に簡単に収納ができるトイレモップ『SOU』を提案しました。SOUは従来のモップとは違い、トイレに特化した新しい掃除用具で、気になっていても手がつけられなかったトイレ掃除を自然に促します。
担当教員によるコメント
マンションに於ける最良のトイレ床掃除用具の姿は?非使用時の佇まいは?等々、トイレだからこその課題に挑んだ作品である。縦持ちと横持ちの両方を考慮したグリップ部は便器に座ったままでも立った状態でも力が分散しないように工夫、また便器下部にあたるヘッド外周部は軟質素材で便器形状に沿う。ヘッド裏面のシート下形状も複数床素材に対応する突起を施す。非使用時はペーパーホルダーやリモコン等の空間内突起物と合わせる等々、実験を重ね導き出した配慮とそこからの試作は、他を圧倒する質と量があり高く評価された。腰を屈め狭い場所に手を伸ばし、便器裏に頭を入れ床掃除する姿が変わる。今後の狭小空間の掃除用具に変革をもたらすトリガーになる。
教授・中田 希佳