形状記憶合金のファッションへの応用
今井 祥一郎
作者によるコメント
形状記憶合金とは、熱を加えることで形を記憶する金属です。記憶させる形の形状により、様々な形を作ることができる性質を活かし、形が変形する布が作れないかと考えました。そして、形状記憶合金とファブリックを組み合わせた、「Metal fabria」をコンセプトに掲げ、検証により発見した魅力的な変化を、作品に展開しました。
担当教員によるコメント
彼は自らのデザイン意図を具象化する手段として“ファッションへの応用”提案を選んだ。現在のファッション関連の形状記憶は、形態安定加工を使用したビジネスシャツやブラウス等、生活の手間であるアイロン作業を軽減する等の機能的価値である。比べ本作品は“変形するファブリックの可能性”をコンセプトとし、繊維内に配された形状記憶合金を通電により変形させることで機能に止まらないビジュアル的な美しさを価値追求したものである。彼の執念とも言える数多くの実験から創出した収縮と弛緩の形状は、今後の被服分野に於いてファッション性だけに止まらず、社会的背景の高齢化やそれらに伴う介護や治療といった分野にも応用可能と感じさせるワーキングプロトである。
教授・中田 希佳
- 作品名形状記憶合金のファッションへの応用
- 作家名今井 祥一郎
- 作品情報技法・素材:形状記憶合金(Ni-Ti)、フレキシブルガラスチューブ、オーガンジー
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