朝と夜が同居する集合住宅

金子 朋加

作者によるコメント

夜勤のある仕事をしている人達の為の集合住宅です。1階が明るい共有空間、2階より上が光を制限した個室空間となっています。

担当教員によるコメント

超規模な集合住宅であるが、夜働き昼間睡眠をする仕事に従事する人々だけを対象にした計画である。外光のコントロールが重要なテーマになり、各戸は開放的なバルコニーを持ちつつ、その外側に全開もできるが必要な時は完全に遮光できるという装置を設けている。共用部分への外光は注意深く制限されていて、間接光を中心にやわらかい光に包まれるような配慮をしている。完全に遮光できるということは閉鎖的な外観になりがちだが、光を調節するために並べたルーバーによって周囲の住宅地の景観に対して冷たい印象を与えないファサードになっている。派手な部分は無いが、求められる機能に誠実に向き合い、細部までよく考えた作品で、上品で繊細なデザインとしてまとめている。

教授・岸本 章