残糸
阪本 康輝
作者によるコメント
「残心」とは物に対し礼儀や意識を持って丁寧に扱うという意味。物を置いた時、そこから意識を外すのではなく、そこに心を残す。そうすれば物に対する意識が変わり、より大切に物を扱うはずだ。
担当教員によるコメント
「物への丁寧な意識をほどこすデザイン」を目指した作品。世の中でいわれる良いデザインとは何かを考えた時に、そういった丁寧な意識があれば、これもあれも可能になるのに、、、と思うことが多いことに気づかされます。たとえ雑に扱っても壊れたりしない方が良いデザインといわれ、むしろそれを世の中が望んでいるのかもしれません。いわゆるユニバーサルデザインが、様々な問題を解決するデザイン思想のようになったときもありました。そういった最大公約数的な、大は小を兼ね、弱いよりは強い方が良いということに疑問を抱くことは、最も今日的感覚ではないかと思います。物を丁寧に扱うことは自然観ともつながっているように思い、この作品からはそんな思想が伝わってきます。
教授・米谷 ひろし
- 作品名残糸
- 作家名阪本 康輝
- 作品情報家具
技法・素材:鉄パイプ、糸
サイズ:H1212×W1824×D424mm - 学科・専攻・コース
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