tone

砂川 彩乃

作者によるコメント

埼玉県川越市を紹介するポスター20点。江戸との交流が盛んだった川越は「小江戸」と呼ばれ、蔵造りの町並みが今も残る埼玉県の観光地です。私はその「小江戸川越」の独特の調子や雰囲気をtone(トーン)として表現しました。川越で撮影した写真や手書きの素材を使用し、小江戸と評されるトーンを描くことで、街の雰囲気が伝わるポスターを目指し制作しています。

担当教員によるコメント

小江戸“川越”の街の魅力を広めることに挑んだ意欲的な卒業制作である。砂川独自の視点で選出した街の主役達を、手わざを大切にしたアイコンとしてひとつひとつ丁寧に表現している。そして、明快なタイポグラフィーや“川越”の落款等、こだわりのディテールからも表現者としてのセンスを随所に感じさせてくれる。20点におよぶポスター群はどれも素晴らしく楽しい。三年次では社会問題をテーマとした新聞広告に取り組んでいた。その時の執拗な情報分析と文章の巧みさは印象深い。人に何かを伝える行為をグラフィクデザインとするならば言葉の力が重要なのは言うまでもない。説得力のステージが他の学生達とは違うのだ。彼女はコミュニケーターとして様々な武器を持っている。

教授・澤田 泰廣