Anny A to Z

作者によるコメント

どんな形にもなれちゃう不思議な生命物体アニーが、地球に住む仲間たちに出会う物語です。絵本はアルファベット26文字+プロローグ、エピローグの全28冊で構成されており、変幻自在に姿形を変えてゆくアニーに相応しいよう、絵本自体の大きさや色も全て異なっています。自由で前向きなアニーを見て、たくさんの人に楽しい気持ちになってもらえるよう想いを込めて制作しました。

担当教員によるコメント

心うたれる表現が最も尊い。鹿野あゆみのシリーズ絵本「Anny」全28冊がそれだ。英和並記。各16頁。全冊のカタチが違う。が、7冊ずつでB3程度の矩形を形成する。宇宙生命の化身のような主人公Annyが地球を訪れ、さまざまな出逢いをめぐっての「自他一体の展開」が、素朴な絵・大胆な構成・最少の言葉で物語られる変身譚。背後に深遠なテーマが立ち現れる。ストーリー・イラストレーション・タイポグラフィの総和によって、難しく深いことが易しく愉快に表現されている絵本だ。手元に置いて繰り返し観たいと思う。作品は作者の分身である。鹿野の穏やかな笑顔と共にある誠実と、情熱と意志と実行がもたらした実り豊かな卒業制作だ。作者の純粋な魂の発露を感じる。この時の「ひたむきな心」を大切にして、創作を続けてほしい。

教授・木下 勝弘