卒業制作優秀作品集2018
情報デザイン学科

伊勢谷 夏実

A:Z

写真、映像
サイズ:H3000×W5000mm

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ヒトが持つ性差の曖昧さ、性別とは本当に二種であるのか。genderlessとは何者か。顔は最もパーソナルであり最も表面的でありながら、身体のように決定的な性差を持たず曖昧な結果を出す部分である。そこに生み出される「らしさ」とは一体何を意味するのか。22人の男女に「素の自分」と「自分が異性に見える顔」を自らの判断で作り出してもらい撮影した。

担当教員によるコメント

生物の常染色体の数と同じ22個のスクリーンが空中に吊り下げられていて、そこに男女22人の「素」ーすっぴんの肖像写真が並んでいる。それぞれの写真に、同じ人物の動画イメージの動画が、プロジェクションされている。重ねられる動画の方は、「自分が思い描く異性に見える顔」だ。化粧を施し、異なるものとなったもう一人の自分、作り出された性別的に正反対の他者である自分のイメージが、素の自分に重ねられている。スクリーンは風でかすかに揺れている。素の顔と、思い描いた異性としての自分という幻像が、きちんと重ならないまま、あえて不明瞭な肖像を提示する。常染色体の数と同じ22人の、作為的に雄雌を分けない肖像とともに、雄雌を分けるXとY、一対の性染色体を表す2つのスクリーンが空白なままつるされている。このインスタレーション作品は、不確かで、揺れ動くのが当然であるセルフイメージや、他者による認識という、デリケートな個人の肖像について表す。LGBTという大文字の言葉で集約されて、逆に本質が見えなくなりはじめている社会的な定義など遥かに超えて、個人の領域にある本質的な性差や、セルフイメージについて、この作品はエレガントに言及する。

教授・佐々木 成明

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