EMOTION

濱野 花織

作者によるコメント

感情とは、快、不快を主とする意識の最も主観的な側面です。様々に移り変わる女性の感情をミニマムな表現で表しました。

担当教員によるコメント

濱野は一貫して「GIRL」のちょっとした仕草からその棘や儚さ、悲しさ、怒り、嫌悪、可愛らしさを表出できないかというテーマでアニメーション制作を続けてきた。EMOTIONと名付けられたその集大成的な作品は淡いピンクをベースとして繊細なドローイングのオムニバスで展開される。大胆にトリミングされた(ダンスする足元や口紅を塗るリップなど)ドローイングはとても繊細で、顔がないGIRLの姿や人格を想像力を働かさせ、考えさせることに成功している。またショートケーキをナイフでカットする瞬間のドローイングが突然入るなど、はっとする編集になっている。ソフィア・コッポラから影響を受けたという濱野だが彼女にしかできないアートディレクションを作り上げることができた。いい作品は本人の人格と近付いていくものなのかもしれない。

教授・佐野 研二郎、非常勤講師・榮 良太、非常勤講師・小杉 幸一