わん
古木 園子
担当教員によるコメント
大地の一部を切り取るように、緩やかなカーブが画面を大きく横切っている。大胆なストロークで描く動的筆遣いは並々ならぬ作者の意思を、飛び散る絵の具はその強度を物語っている。幅3メートルの大画面は清々しくも観る者に迫り来る。古木は本作の制作にあたり、改めて己を見つめ直す事から始めたと言う。普段生活の中で見過ごしていた身近な存在に、自ずと目が行くようになったと聞く。その結果、目の前に拡がる創造の扉を、これまで以上に力強く押し拡げる事が出来たのではないか。手のひらに乗る程の「小さな茶碗とグラス」がこの作品のモチーフだと見せられたとき、対極のフォルムを生み出す想像力の素晴らしさ、尽きない絵画の可能性を改めて教えられた気がした。
教授・武田 州左
- 作品名わん
- 作家名古木 園子
- 作品情報技法・素材:ベニヤ板、ジェッソ、岩絵具、水干絵具、墨
サイズ:H1700×W3000mm - 学科・専攻・コース
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