対空信号キット, -被災地で用いる対空信号の製品化提案-

坂本 良岳

作者によるコメント

地震・台風・大雪などの自然災害によってインフラが寸断され、孤立した被災地では不足する物資の援助を求める「SOS」のサインが度々見られます。このような航空機に向けたサインは「対空信号」と呼ばれ、国際民間航空機構(ICAO)が定めた国際企画の信号標識も存在することがリサーチでわかり、より多様なメッセージを伝えることが出来る国際規格信号を活用して対空信号を製品化し、被災地支援活動の助けとなる製品を提案できないかと考えました。

担当教員によるコメント

この作品は災害時に使われる緊急用サインの提案です。彼は当初、軍隊などでの特殊な使い方から想定した「上空に対してメッセージを送るための道具」に興味を持ち、リサーリを進めていました。途中からそれは災害時に応用できることに気づき、いろいろな実験、検証を経ながらこの「被災地で用いる対空信号の製品化の提案」に結実しました。考え方によってはこのプロダクトは人の一生の中で、一度も使うことが無いものなのかもしれません。しかし万が一災害が起こった時には多くの人命を助けることができる可能性をもっています。華やかさはありませんが必要な機能を誰もが使いやすいように工夫された、完成度の高い作品であり、プロダクトデザインの社会的役割を再確認させてくれる提案となりました。

教授・田中 秀樹