髙木 里奈
Rem SleepⅡ
技法・素材:水性木版 サイズ:H915×W606mm
担当教員によるコメント
少女の顔の真ん中にポッカリとした空洞。それは、眠りに入る時の吸い込まれていくような不安の象徴なのだろうか。その少女は、夢と現実との間にある異空間の断層に入り込んでしまったかのように無意識の中を漂っている。木版画の水性刷り技法で、デリケートに何度も色を摺り重ねて現れる画面には、隠ぺいされる色と生まれる色とがせめぎ合いながら独特の色層が生まれてくる。そしてそれは、内なる世界との対話から絵を紡ぎ出すという版画の原点ともいえる行為で、その手数が作品にリアリティーを与えているように感じられた。時間を掛けて、ゆっくりと繰り返し確かめるよう彫りながら、また摺りながら手繰りよせて生まれてきた少女は、見る者を激しくゆさぶり引きつけてやまない。
教授・古谷 博子
担当教員によるコメント
少女の顔の真ん中にポッカリとした空洞。それは、眠りに入る時の吸い込まれていくような不安の象徴なのだろうか。その少女は、夢と現実との間にある異空間の断層に入り込んでしまったかのように無意識の中を漂っている。木版画の水性刷り技法で、デリケートに何度も色を摺り重ねて現れる画面には、隠ぺいされる色と生まれる色とがせめぎ合いながら独特の色層が生まれてくる。そしてそれは、内なる世界との対話から絵を紡ぎ出すという版画の原点ともいえる行為で、その手数が作品にリアリティーを与えているように感じられた。時間を掛けて、ゆっくりと繰り返し確かめるよう彫りながら、また摺りながら手繰りよせて生まれてきた少女は、見る者を激しくゆさぶり引きつけてやまない。
教授・古谷 博子