大石 果林
そこに在る
技法・素材:水性油性混合木版 サイズ:H540×W840mm
担当教員によるコメント
大石の作品は縄をモチーフとし、それは「モノとモノをつなぐ」特殊な存在として彼女の興味を惹いてきた。この作品では縄は机と瓶、観葉植物を繋ぐ役割として登場する。机にかけられたテーブルクロスの装飾はシンプルな線によってどこまでも平面的である一方、瓶はシルエット化しているものの、木版特有の刷りによって陰影が表現され、独特の厚みが生み出されている。その表現の違いによってそれぞれは二つの異なる次元に設定され、そして縄はそれらの次元を行き来する特別な存在として現れてくるのだ。そのあり方に大石のテーマの核を見ると共に、版画表現の今日的な可能性を期待させる。ビジュアルの美しさに逃げるのではなく、今後、真摯にこのテーマに作者が向き合ってくれることを期待したい。
教授・大島 成己
担当教員によるコメント
大石の作品は縄をモチーフとし、それは「モノとモノをつなぐ」特殊な存在として彼女の興味を惹いてきた。この作品では縄は机と瓶、観葉植物を繋ぐ役割として登場する。机にかけられたテーブルクロスの装飾はシンプルな線によってどこまでも平面的である一方、瓶はシルエット化しているものの、木版特有の刷りによって陰影が表現され、独特の厚みが生み出されている。その表現の違いによってそれぞれは二つの異なる次元に設定され、そして縄はそれらの次元を行き来する特別な存在として現れてくるのだ。そのあり方に大石のテーマの核を見ると共に、版画表現の今日的な可能性を期待させる。ビジュアルの美しさに逃げるのではなく、今後、真摯にこのテーマに作者が向き合ってくれることを期待したい。
教授・大島 成己